小麦粉
ちょっとだけ真面目な話になります。
自分のことを『農業系ジャム屋』とFacebook、Instagramのプロフィールに書いている。
6次産業といわれる事も多い。
農業とジャムつくり(菓子も含む)の両立の難しさに日々向き合っているわけであります。
農業に少し関わっている中で、気づいてしまった事が多くあります。
ラウンドアップという主成分がグリホサートという除草剤があります。ホームセンターなどで売られているので、見たことのある方も多いのではないでしょうか。
グリホサートは基準値を下回っていれば安全であるという見解がありますが、
日本は2017年に小麦のグリホサートの残留農薬基準を大幅に緩める政策をとりました
(小麦は5ppmを30ppmへ緩和)
画像は、規制緩和後の調査結果。
2021年。大手メーカーのハチミツに、食品衛生法で定める基準値(0.01ppm)を超えるグリホサート(0.02-0.03ppm)が含まれており、アルゼンチン産、カナダ産はちみつのうち、基準値 0.01ppmを超えた農薬(グリホサート)が残留したと報道された製品の一部について、念のため自主回収をしています。
はちみつと小麦のものすごい差が気になる。とても気になる。
0.01ppmと30ppm。
カナダ産のはちみつと書きましたが、
大手の製粉会社が販売をしている製菓用の小麦粉は、カナダ産、アメリカ産が多くを占めます。
アメリカやカナダでは、広大な農地で収穫時の効率を良くするためにプレハーベストという作業をします。
小麦の収穫の直前にグリホサートをかけて小麦を枯らしてから収穫をするのです。これは合法です。認められているのです。
日本で販売しているグリホサートの取り扱い説明はこちら。
『グリホサートは除草剤です。本剤は農薬ではありません。
農薬ではないので農作物等の栽培・管理に使用すると罰せられます。
適用場所は道路、駐車場、グラウンドなど農作物等の栽培・管理以外の目的で用いられる場所』
内閣府の食品安全委員会のサイトにはこのようなページがあります(内容は抜粋しました)(全13問)
資料日付 2022年12月27日
ドイツ連邦食糧農業省(BMEL)は11月17日、グリホサート(Glyphosat)に関するQ&Aを公表した。
Q2: グリホサートはどのように作用するか?
A2: グリホサートは、全ての植物の緑色の部分(葉や茎など、非木質化された植物組織)に吸収される。グリホサートは、植物全体に分散し、植物を完全にしおれさせ、枯死させる。活性物質は非選択性であるため、雑草のみならず,グリホサートが散布された作物全てに作用する。そのため、栽培植物の生育中にグリホサートを散布してはならない。
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正直に申し上げると、製粉会社が製菓用に販売している輸入小麦を使った小麦粉は、使いやすくて美味しい。おいしい。
長年製菓用に追求されてきた粉の味を国産小麦で再現するのは、難しいのが事実。
だけど、この衝撃の事実を知ってしまったら、自分は安全で安心して菓子が食べたい。
安全で安心な粉を使った菓子を作りたいし食べて頂きたいと思って、国産小麦粉やフランス小麦粉を使っています。
食品の表示については、わりと頻繁に変更があり、その都度ラベルを全て変更しなくてはならず、小さなジャム屋はけっこう大変なので、小麦の変更についての表記変更がおいついておりません。
もし今、小麦を使った加工食品(菓子、パン、麺類など)をお持ちでしたら、裏の表示を見てください。
『小麦粉(国内製造)』とあるものは、かなりの確率で海外の小麦です。
輸入した小麦を国内で製粉したので、国内製造となります。
国産の小麦を使っている場合は、『小麦粉(国産)』となります。
(国産小麦使用 と書いてある場合は、輸入小麦も入っている可能性があります。)
いろいろ値上げが続いているなかで、お値段がお高い国産小麦粉。
全粒粉はお特に高いのですが、皮ごと使う全粒粉は輸入だとグリホサートなどの農薬の残留がとても高い。全粒粉は国産しか使う気にならない。
(北海道小麦の全粒粉を使ったグラハムクッキー、週末の園芸祭りで販売します。)
わたしは少しでも安心して食べられる菓子を食べたいし提供していきたい。
上記のとおり、食品の表示についてはわりと頻繁に変更があり、その都度ラベルを全て変更しなくてはならず、小さなジャム屋はけっこう大変でして、
小麦の変更についてラベルの変更が追いついておりません。
表示は小麦粉(国内製造)となっておりますが、表に国産小麦、フランス小麦と、ひと目で分かるように表示しております。ラベル変更は近日中に!